Last Updated on 2023年11月18日
金剛山の中級者向けルートであるツツジオ谷。しかし、標識や目印が乏しく、遭難者の話をよく耳にします。私も一の滝で迷い、未知の道を歩み、やっとタカハタルートに辿り着きひどく疲れた経験があります。ツツジオ谷は初めての方やひとり登山者にとっては、不安がつきまとうもの。そんな時、焦ることはよくあることです。
この記事では、そういったことがないように、ルート地図と分岐点の写真と合わせて紹介したいと思います。また、なぜ分岐点を間違えてしまうのかを考察しています。お役立てて頂ければ幸いです。
ツツジオ谷ルートの登山
ツツジオ谷ルートは滝や沢の流れを楽しみながら登っていくルートです。一方、アドベンチャー的要素もあり、ある部分では急勾配をよじ登ったり、登山道の幅が20cmぐらいで、右は10m以上の谷(がけ)という場所もあります。体力も必要です。危険個所がいくつかあり、もし滑落すると大怪我・生死にかかわる事故も実際起こっています。ですので、初心者の方は避けていただきたい。足回りの装備(登山靴)を整え、登山経験を積まれたうえで、自己責任で考えてみてください。
加えて、下山には適さないコースと個人的には思います。
迷いそうな場所は2つあります。ルート地図と分岐点の写真と合わせて紹介したいと思います。なお、写真は2023年夏時点でのものです。
ツツジオ谷ルート地図
金剛登山口(図中⓪)から山頂への登山ルートです。図では上(北)で黄色の太線がルートです。
①が一の滝の巻き道あたり、②は分岐点です。

ツツジオ谷ルート分岐点写真
一の滝の巻き道①

通称「おにぎり岩」を過ぎると一の滝が見えてきます。

やがて、沢から離れ左側の坂道を登ります。一の滝は進行方向左巻きです。倒木の向こう(写真右上)に滝が見えます。

倒木の間から滝が見えます。

坂道を登ります。この先がややこしいです。

重要なポイントです。手前のつるつるした木をトラロープを持ちながらまたぎ、さらに、右上の木の下をくくります。2本の木の間を登っていくと遭難します。


つるつるした木をロープを持ちながらまたぎ、坂道を見上げると、踏み跡があるがここを登ってはダメ。右の倒木の下をくくります。

木をくくると一の滝がよく見える。こちらの道が正解。

振り返るとこんな感じ。

先に進みます。分かりにくいですが、ここを登っていきます。しばらくすると、一の滝の上まで行けます。滑落しないように足元注意。滑落すると生死にかかわります。
分岐点②

一の滝、二の滝を超えます。沢の中を歩いたり、沢沿いを歩いたりを繰り返します。やがて、沢が狭く、倒木などで沢が分かり辛くなります。左手に登りのが現れますのでここを登ります。沢はここでお別れです。

平らなところに出ます。ここが分岐点。正面に木の切り株と石が積み上げてあります。よく見るとその左の木の根にピンク色のリボンがついています。ここは直進せずに、90度左に曲がり、急登を登ります。

↓行ってはいけない雰囲気の石の並び。
まっすぐ行ってしまっても、千早本道に合流しますが、もはや登山道ではありません。急激に狭い沢で倒木や岩の中を登ることになります。通称「沢詰め」ですが、ベテランハイカー向けです。


この急登を登り切れば、六地蔵のある気持ちのいい尾根に合流します。
なぜ? ツツジオ谷で分岐点を間違えてしまうのか
なぜ、ツツジオ谷で分岐点を間違えてしまうのか。人間の持つバイアスがら自分なりに考えてみました。
- 目印が少ない。
- 見た目で踏み跡がついている方の道を選んでしまう。(認知バイアス)
目印が少ない
リボンなどの目印がほとんどないので、地図を見ながら自分の位置を確認しながら進みましょう。
見た目で踏み跡がついている方の道を選んでしまう
一の滝の2本の木の間の踏み跡です。踏み跡には2種類あると考えます。
1つ目は、垂直に踏み固められた踏み跡です。見た目は粘土をつぶしたように固いです。
2つ目は、斜面で滑り落ちたような踏み跡です。見た目は砂のようなものが混ざってて、歩くと滑ります。
一の滝の2本の木の間の踏み跡は2つ目でした。坂を登って途中で「間違えた」と、気付き引き返したときに滑るように下る。そうした人がたとえ1人いたとしても、踏み跡としては広範囲にしっかり残ってしまします。後から登ってきた人がこれを見ると、踏み跡があるから多くの人が通ているはずだ。こちらに行けば大丈夫と勘違いしてしまう。まさに、自分がこれでした。
まとめ
ツツジオ谷ルートはアドベンチャー的要素もあり、危険なルートでもあります。初心者、ひとり登山、遅い時間からの登山は危険です。あくまでも自己責任で考えてみてください。
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