金剛山の遭難注意 ツツジオ谷ルートの登山

Last Updated on 2024年3月26日

金剛山の中級者向けルートであるツツジオ谷。しかし、標識や目印が乏しく、遭難者の話をよく耳にします。私も一の滝で迷い、未知の道を歩み、やっとタカハタルートに辿り着きひどく疲れた経験があります。ツツジオ谷は初めての方やひとり登山者にとっては、不安がつきまとうもの。道迷いすると焦ってしまいますね。
この記事では、そういったことがないように、ルート地図と分岐点前後の写真と共に紹介しています。また、なぜ分岐点を間違えてしまうのかを考察しています。お役立てて頂ければ幸いです。

この記事でわかる事
・ツツジオ谷ルートの登山道で道迷いしそうな箇所がどこかがわかる
・分岐をどちらに行けばよいかがわかる
・道迷いの原因がバイアスであることがわかる

ツツジオ谷ルートの登山

ツツジオ谷ルートは滝や沢の流れを楽しみながら登っていくルートです。一方、アドベンチャー的要素もあり、ある部分では急勾配をよじ登ったり、登山道の幅が20cmぐらいで、右は10m以上の谷(がけ)という場所もあります。体力も必要です。危険個所がいくつかあり、もし滑落すると大怪我・生死にかかわる事故も実際に起こっています。ですから、初心者の方は避けていただきたい。足回りの装備(登山靴)を整え、登山経験を積まれたうえで、自己責任で判断してください。
加えて、下山には適さないコースと個人的には思います。

道迷いしそうな場所は2箇所あります。ルート地図と分岐点の写真と合わせて紹介したいと思います。なお、写真は2023年夏時点でのものです。

ツツジオ谷ルート地図

金剛登山口(図中⓪)から山頂への登山ルートです。図では上(北)で黄色の太線がルートです。
①が「一の滝」の巻き道あたり、②は沢詰めとの分岐点です。

金剛山で遭難しやすいツツジオ谷ルート
©Yamareco Inc.

ツツジオ谷ルート分岐点写真

地図番号①:一の滝の巻き道

通称「おにぎり岩」を過ぎると一の滝が見えてきます。

やがて、沢から離れ左側の坂道を登ります。一の滝は進行方向左巻きです。倒木の向こう(写真右上)に滝が見えます。

倒木の間から滝が見えます。

坂道を登ります。この先がややこしいです。

重要なポイントです。手前のつるつるした木をトラロープを持ちながらまたぎ、さらに、右上の木の下をくくります。2本の木の間を登っていくと遭難します。

つるつるした木をロープを持ちながらまたぎ、坂道を見上げると、踏み跡があるがここを登ってはダメ。正しくは右の倒木の下をくくります。

木をくくると一の滝が目の前によく見える。こちらの道が正解です。

振り返るとこんな感じ。

先に進みます。分かりにくいですが、ここを登っていきます。しばらくすると、一の滝の上まで行けます。滑落しないように足元注意。実際滑落事故が起っています。滑落すると生死にかかわります。

地図番号②:沢詰めとの分岐点

一の滝、二の滝を超えます。沢の中を歩いたり、沢沿いを歩いたりを繰り返します。やがて、沢が狭く、倒木などで沢が分かり辛くなります。左手に登りのが現れますのでここを登ります。沢はここでお別れです。

平らなところに出ます。ここが分岐点。正面に木の切り株と石が積み上げてあります。よく見るとその左の木の根にピンク色のリボンがついています。ここは直進せずに、90度左に曲がり、急登を登ります。

↓行ってはいけない雰囲気の石の並び。
まっすぐ行ってしまっても、千早本道に合流しますが、もはや登山道ではありません。急激に狭い沢で倒木や岩の中を登ることに体力が消耗します。通称「ツツジオ谷の沢詰め」と呼ばれていますが、ベテランハイカー向けです。

分岐点のクローズアップです。写真左端の木の根にピンクのリボンがくくってあります。ここは左の急登をの登ります。

この急登を登り切れば、六地蔵のある気持ちのいい尾根に合流します。

なぜ、ツツジオ谷で分岐点を間違えてしまうのか。人間の持つバイアスから自分なりに考えてみました。

  • 標識やリボンがほとんどない。
  • 見た目で踏み跡がついている方の道を正しいと思って選んでしまう。(認知バイアス)

標識やリボンがほとんどない

リボンなどの目印がほとんどないので、地図を見ながら自分の位置を確認しながら進みましょう。

見た目で踏み跡がついている方の道を正しいと思って選んでしまう

一の滝の2本の木の間の踏み跡です。踏み跡には2種類あると考えます。
1つ目は、垂直に踏み固められた踏み跡です。見た目は粘土をつぶしたように固いです。
2つ目は、斜面で滑り落ちたような踏み跡です。見た目は砂のようなものが混ざってて、歩くと滑ります。
一の滝の2本の木の間の踏み跡は2つ目(斜面で滑り落ちたような踏み跡)でした。坂を登って途中で「間違えた」と、気付き引き返したときに滑るように下る。そうした人がたとえ1人いたとしても、踏み跡としては広範囲にしっかり残ってしまします。後から登ってきた人がこれを見ると、踏み跡があるから多くの人が通ているはずだ。こちらに行けば大丈夫と勘違いしてしまう。まさに、自分がこれでした。

ツツジオ谷ルートはアドベンチャー的要素もあり、滑落危険なルートでもあります。初心者、ひとり登山、遅い時間からの登山は危険です。あくまでも自己責任で判断ください。

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