ホルン 多重録音する方法

(2024年2月28日更新)

音を重ねて録音(ホルン多重録音)する方法

1人でホルン3重奏をやってみたいと思いませんか。
スマートフォンで録音し、アプリを使って音声合成(ホルン多重録音)ができます。
そこで、この記事では音声のみを多重録音する方法をお伝えします。

音を重ねて録音(ホルン多重録音)する方法

大まかに方法を説明します。
まず1パートずつ別々に録画します。
次に、録音したデータをアプリに取り込み音声合成します。
最後に、音声合成したファイルを出力すれば完成です。

まずはドミソの和音で実験

まずは試みということもあり、ドミソの和音で3重奏することにしましょう。
ド(inFのソ)、ミ(inFのシ) ソ(inFのレ)です。

譜例

仕上がりの演奏

ドミソの和音で3重奏

ホルン録音までの手順

ホルン録音までの手順はこの様に行います。

  1. テンポをセット
  2. イヤフォンセット
  3. リハーサル
  4. 本番録音スタート

それぞれ簡単に解説していきましょう。

テンポをセット

各パートのテンポを合わせて録音するために、スマートフォンからメトロノームを鳴らします。メトロノームのアプリは事前にスマートフォンにダウンロードしておきます。

イヤフォンセット

スマートフォンのスピーカーから音を出してしまうと、カウント音も録音されてしまいます。それを防ぐためにスマートフォンにイヤホンを接続します。イヤホンは左耳だけに装着しカウント音を聴きます。右耳はホルンの生音を聴きます。

イヤフォンは長めのものを使いと移動しやすいです。

リハーサル

録音は IC レコーダーやスマートフォンのマイクで録音します。今回は別のスマートフォンのマイクで録音しました。録音アプリは事前にスマートフォンにダウンロードしておきます。

スマートフォンの録音アプリ

ここで一度、リハーサルとして録画してみます。録音した音を聞きチェックします。

チェックのポイントは音量です。音が大きすぎて割れてしまっている場合は、マイクが近すぎます。
音が割れてしまうと音声編集がやりにくいので、音が小さい方がまだマシです。小さすぎる場合はマイクを近づけるか、マイクのインプットボリュームを調整します。

マイクの置き場所もポイントになります。
ホルンのベルの真後ろだと振幅が大きくなりすぎて音が割れてしまいます。音質も良くありません。マイクの位置は楽器の前方向、高さはある程度の高さがあったほうがよいように感じます。マイクを床に置くと、こもった音質になったり、床との振動音が入ってしまいます。マイクの位置はトライ&エラーで調整します。私の場合はマイクは楽器の前方向1.5mの位置に、高さは1mぐらいのところがちょうど良かったです。

本番録音スタート

テンポにきっちり合わせて演奏します。失敗したら取り直しします。後でアプリで音声編集できるので、録音は取りっぱなしにします。

音声合成の手順

音声合成の手順は

  • 音声編集アプリケーションを起動する
  • 3パートを縦に並べる
  • 成功した部分を切り出す
  • 音の出だしを揃える
  • 微調整をする
  • ファイルをmp3に出力する。

です。

今回はパソコンで音声編集しました。AudacityとFreeソフトを使用します。

Audacityを起動して、取りっぱなしの音声ファイルを読み込ませます。(画面1)

画面1:取りっぱなしの音声ファイルを読み込ませた状態

次に、オリジナルデータを3段に複写して並べます。画面1の灰色の部分にオリジナルファイルをマウスでドラッグすると複写できます。1番上段はinFのソ、2番目の段はinFのシ、一番下の段はinFのレとします。必要な部分だけを残し、いらない部分はトリミングします。余計な部分を切り取るということです。(画面2)

画面2:3パート複写。必要な部分だけを残し、いらない部分はトリミング

次に、このままだと音の出だしがずれているので、音の出だしを合わせます。各レコード(各パート)の波形をマウスでつかむと左右に移動ずらすことができます。2小節目の1泊目の3パート一斉に発音するところを、3パートとも同じ場所になるように縦を揃えます。
虫眼鏡アイコンを使って拡大して、音の出だしを揃えます。(画面3)

画面3:音の出だしを合わせます

次に、一旦この状態で再生し確認し、OKであれば出力を行います。出力の操作は、ファイル(F)-書き出し(E)-MP3として書き出しです。出力をすると3パートが一つのファイルに音声合成されます。
1つのパートに他の2パートが加算されます。つまり3重奏になります。一応これで完成です。

なお、もし3パートの音量バランスが偏っている場合は、この時点で各パートごとの音量を調整します。音声合成後では修正できないためです。
後で編集するかもしれない場合は、プロジェクトファイルとして保存しておきます。プロジェクトファイルとして保存の操作は、ファイル(F)-保存(E)-保存(E)です。拡張子.aup3ファイルができます。

画面4:音声合成されたファイルを再び開く

次に、出力したファイルを開きます。
あとは前後の長さを調整したり全体のボリュームを調整したり微調整します。

まとめ

コロナ渦の中、合奏ができない方のために、1人でホルン多重録音に挑戦してみました。
無料ソフト、スマートフォンのアプリを使って実現できます。1人で合奏遊びできます。

今、この状態でできることを考えて、とりあえずやってみる。
それが「今ここ!」

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私の所感

シニアでホルン復活。ドミソの和音が綺麗かどうかはお許しください。鳥たちも笑っています。

ホルン多重録音の課題

  • 音質
    私のスマートフォンはモノラル録音で音質も悪いことに気づきました。
    Fの音だけは必ず音割れします。
    何かが共鳴してるせいでしょうか。
    ICレコーダの方がステレオ録音ができ、音質もいい。
    根本の音質は自分自身の問題です。
  • 表現力に欠ける
    3重奏といってもホルン独奏の重なりの為、各パートのバランスや表現力に欠けます。
    録音済みのパートを聴きながら重ねていくやり方をしても限界がある。
    そこで、Audacityの機能を使って各パートのダイナミックスや音声フィルターなど調整をしてから音声合成する方法が良い。
    これもやりすぎると自分らしくなくなってしまうという欠点があるように思います。
    根本の表現力は自分自身の問題です。

今後は和音ではなく、簡単な曲の3重奏をやってみたいと思います。
お楽しみに。きっと鳥に笑われる仕上がりでしょう。

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