Last Updated on 2023年11月10日
次は2023年12月10日の夜明け前です。細い月と金星がくっついたように見える日があります。誰でも簡単に見れて、夕焼けや朝焼けと重なって美しい風景です。このように天体同士が接近して見れる現象を「待ち合わせ」(英語ではランデブー)と呼ばれます。デートの様ですね。
では、こういった天文現象がいつ起こるのか。あらかじめ知っておくのも楽しみの1つです。
この記事では、これから未来に起こる細い月と金星がくっついたように見える、大接近する日に加え、そのメカニズムについて理解することができます。 参考になさっていただければ幸いです。
細い月と金星が大接近する日 いつ?
月と金星が接近する日を接近日表まとめました。「見かけの離角(度)」が小さいほど、より近づいて見えます。
接近日 | 時間帯 | 方角 | 見かけの 離角(度) | 月齢 | 金星の 明るさ | 位置 関係 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
済 | 2023年3月24日 | 夕方 | 西 | 約1.5° | 2.7 | -4.0 | 金 月 | 大接近 沖縄では金星食 |
済 | 2023年4月23日 | 夕方 | 西 | 約2.5° | 3.2 | -4.1 | 金 月 | |
済 | 2023年5月23日 | 夕方 | 西 | 約2° | 3.7 | -4.2 | 金月 | 大接近(写真1) |
済 | 2023年6月22日 | 夕方 | 西 | 約3.5° | 4.2 | -4.4 | 月 金 | |
済 | 2023年7月20日 | 夕方 | 西 | 約7° | 2.7 | -4.4 | 月 金 | 低空で見つけにくい |
済 | 2023年9月12日 | 朝方 | 東 | 約10° | 26.4 | -4.5 | 月金 | 低空で見つけにくい |
済 | 2023年10月11日 | 朝方 | 東 | 約7° | 25.7 | -4.5 | 月金 | |
済 | 2023年11月9日 | 朝方 | 東 | 約7° | 25.1 | -4.3 | 月 金 | |
済 | 2023年11月10日 | 朝方 | 東 | 約6° | 26.1 | -4.3 | 金 月 | |
★ | 2023年12月10日 | 朝方 | 東 | 約5° | 26.4 | -4.1 | 金 月 | |
2024年1月9日 | 朝方 | 東 | 約7° | 26.9 | -4.0 | 金 月 | ||
2024年2月8日 | 朝方 | 東 | 約7° | 27.4 | -4.0 | 金 月 | 低空で見つけにくい | |
2024年8月6日 | 夕方 | 西 | 約5° | 2.0 | -3.9 | 月 金 | 低空で見つけにくい | |
2024年9月5日 | 夕方 | 西 | 約2° | 2.3 | -3.9 | 金 月 | 大接近 低空で見つけにくい | |
2024年10月6日 | 夕方 | 西 | 約7° | 3.6 | -4.0 | 月金 | 低空で見つけにくい | |
2024年11月5日 | 夕方 | 西 | 約5° | 3.8 | -4.0 | 月金 | ||
2024年12月5日 | 夕方 | 西 | 約5° | 4.1 | -4.2 | 月金 |
・時間帯には「夕方」と「朝方」の2種類があります。「朝方」は日の出前に早起きをすれば見れます。
・等級は数字が小さいほど明るいです。-4等級は飛行機のヘッドライトの様な明るさです。
・月齢は夕方の三日月が3.0、上弦半月が7.5、満月が15.0、朝方の逆三日月は26.5、新月が0.0です。
接近日表から読み取れること
上記の接近日表から読み取れることをまとめました。
見えないときもある
1ヶ月に1回接近するという規則性が読み取れます。
その中で、2023年8月は金星が見えません。なぜでしょうか。2023年8月は金星が地球と太陽の間に位置し、太陽が眩しい為、みえません。もし地球と金星と太陽が一直線上に並んだ場合、「金星日面通過」という天文現象が起こります。「金星日面通過」は非常にまれな現象で、およそ百年に1回しか起きません 。次回は2117年12月10日起こります。

また、2023年3月から7月は金星が見えません。なぜでしょうか。この期間中は太陽向こう側に金星が位置し、太陽が眩しい為、みえません。
見える時間帯にサイクルがある
夕方によく見える
↓
夕方低空で見にくくなる
↓
見えない(約1ヶ月)
↓
朝方低空で見える
↓
朝方によく見える
↓
朝方低空でに見にくくなる
↓
見えない(約4~5ヶ月)
↓
夕方低空で見える
↓
夕方によく見える
金星の明るさはさほど変化がない
人間の目で識別できる変化ではありません。
見かけの月と金星の離角は毎月異なる
特に離角が小さい場合を大接近といいます 。大接近の定義はないが、2.0°以下を本サイトでは大接近と呼称します。ちなみにアイキャッチ画像は2010年5月16日 19:56で離角は約0.5°です。
離角が0.25°以下になると「金星食」という 天文現象が起こります。金星が月の裏に隠れる現象です。「金星食」はまれな現象で、数十年に1回しか起きません 。次回は2063年5月31日に起こります。

接近を見やすい月齢は3前後か26前後
夕方、西の空で接近を見やすい時期は月齢が3前後でしょう。
朝方、東の空で接近を見やすい時期は月齢が26前後でしょう。
接近(ランデブー)の写真

まとめ
細い月と金星の接近は美しく、誰でも簡単に見れる天文現象の1つです。月に一度の天体観測のサイクルに入れてみてはいかがでしょうか。
今後の接近の情報は随時追加していきたいと思います。
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