2025年9月 皆既月食の天気は?
(2025年7月5日更新)

2025年の天文現象の中で、最も注目を集めているのが9月の皆既月食ではないでしょうか。明るい満月が地球の影に隠れ、暗く赤褐色に染まる幻想的な天文ショー。しかも今回は日本全国どこからでも観察できるチャンスです。
気になるのは、やっぱり当日の天気。「自分の住んでいる地域で見られるの?」と、今から気になる方も多いはず。
そこでこの記事では、気象庁の過去のデータをもとに、晴れる確率を独自に算出してみました。あくまで心の準備として、参考にしてみてください。
この記事でわかること |
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・惑星直列の意味が分かる ・みかけの惑星直列と黄道座標の惑星直列があることが分かる ・今後の惑星直列、天変地異のことが分かる |
2025年9月 皆既月食の天気は?
回帰法の考え方に基づき、気象庁の過去のデータを使って計算してみました。なお、コンピューターシミュレーションを行ったわけではありません。9月上旬は台風シーズンにあたりますが、使用した気象庁のデータは「晴れ日数」という形で数値が示されており、台風の日も「晴れ日数」を下げる方向にカウントされていると予想します。このデータは、全国16の都市を対象に公表されているものです。
これが気象庁ホームページ(防災気象情報>季節情報>(参考資料)晴れ日数と降水日数の平年値)です。
皆既月食の前後の都市別晴天率
日本の16都市の独自に計算した晴天率です。自分のお住まいの近くはいかがですか。
都市名 | 晴天率(%) |
---|---|
札幌 | 52% |
網走 | 51% |
釧路 | 40% |
秋田 | 52% |
仙台 | 41% |
新潟 | 54% |
東京 | 44% |
彦根 | 54% |
大阪 | 58% |
松江 | 47% |
広島 | 55% |
高松 | 57% |
福岡 | 54% |
鹿児島 | 64% |
名瀬 | 51% |
那覇 | 68% |

晴天率は50%ぐらいの確率。地域による大きな差はない。強いて言うなら東京より大阪の方が晴天率が高い。
晴天率の算出方法
算出方法です。データ元は気象庁のホームページで公開されている「晴れ日数」です。晴れ日数とは日照時間が40% 以上の日は「晴れ」とカウントし、1991年から2020年の30年間のデータの平均値です。(2021年から2024年のデータがないは気になりますが)
気象庁のデータはCSVでダウンロードできます。「初日となる日」と「晴れ日数」のマトリックスになっています。

ご覧のように「晴れ日数」は7日間、14日間、28日間の3列あります。月食は数時間の天文ショーですからできたら1日間、極論6時間の晴れ日数のデータがあれば制度は上がるのですが、そのデータはないので仕方がないと諦めます。一番短い期間である「晴れ日数(7日間)」の列データを使用します。
「初日となる日」は1週間の中央日に9月8日(皆既月食)(赤枠)になるように、9月5日(緑枠)を使用します。
この値は7日間で晴れた日数ですので7(日)で割ると晴天率になります。
例えば大阪の場合、9月5日から晴れ日数(7日間)は4.1。1週間は7日なので、7で割って
晴天率=4.1 ÷ 7× 100 おおよそ58%
となります。
次回の皆既月食の晴天率
次回の会計日食は2026年3月3日のひな祭りの日になります。同じような計算方法で行う場合、気象庁データが更新されているかに依存します。ただ、感覚として2020年までの過去30年間のデータの上に最近のデータが追加されるしても、大きく値が変わるとはないとした場合、晴天率は大きく変化することがないように思われます。
まとめ
気象庁のデータを元に独自の方法で算出しました。地域により多少差はあるものの、ほぼ晴天率50%ぐらいだということがわかります。
おまけコーナー
いかがだったでしょうか。
天体観測をやっていて一番悩まされるのが天気です。雲の量や空の透明度が観測や撮影に影響します。極論、雲の量が90%であったとしても皆既月食が起こる時間とその方角の空に雲がなければ何の問題もありません。この記事を書くにあたってそういったものであるということは理解しながら公的なデータが公開されていないか確認したところ、気象庁のホームページにたどり着きました。
・天気予報そのものが漠然としている。
・皆既月食というピンスポットの天気なんてわかるわけがない。
・気象庁のデータも幅がありすぎる。
これらのことから踏まえた上でチャレンジングに計算をしてみたものです。結果、何のインパクトもない数値が出てきました。あとは当日晴れるのを祈るばかりです。
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