今世紀 見逃せないエキサイティングな天文現象
(2025年5月15日更新)

21世紀も残り75年となりました。これから日本で見られる貴重な天文ショーを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、2025年以降に日本で観測できる主な天文イベントの中でも、特に「日食」に焦点を当ててご紹介します。
次に天文ショーが訪れるとき、あなたは何歳になっているでしょうか?未来に思いを馳せながら、ぜひお楽しみください。
この記事でわかること |
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・2100年まで見逃せない日本の天文現象が分かる ・小惑星「アポフィス」の様子がわかる ・日本で日食や流星雨がいつ起こりるかが分かる |
見逃せないエキサイティングな天文現象
小惑星「アポフィス」が地球をかすめる
2029年4月13日(金曜日)
小惑星「アポフィス」が地球をかすめます。現在の軌道計算では地球から約3万2000kmまで接近します。3万2000kmとは地球と月の距離(約38万)の約12分の1です。距離感はこんなイメージです。
あなた(地球)の1m先にお友達(月)が立っていたとしたら、アポフィスはあなたの鼻の先12cmを通過する。
遠くから見ると通過という言葉より「かすめる」という表現がいいかもしれません。
今のところ「かすめる」と予想されていますが、天文学者は常に軌道を観測し再計算をしているようです。世の中に完全はありません。地球に衝突する確率は0ではないです。現在のところ怖がることはないにしても注目に値します。
アポフィスは歪な形をしているようです。大きさは長辺は450mの岩石の塊です。地球を「かすめる」とすれば、どのような明るさでどこに見えるのかは注目ですね。
北海道で金環日食


2030年6月1日(土曜日)
前回2012年から18年ぶりの日本国内での金環日食です。場所は北海道。北海道の北端(宗谷岬)と南西部(函館あたり)を除く北海道のほぼ全域で見れます。本州の方は北海道に移動です。梅雨入り前で晴れに期待したいものです。しかも土曜日です。
日食の概要ですが、夕方に傾いた太陽が金環日食となります。札幌では15時41分に欠け始め16時57分に高度21°(結構低い)で金環となり、リングがおよそ4分間見られます。そして18時4分には日食は終わり丸い太陽に戻り、すぐ日没を迎えます。
首が痛くならず、さわやかな北海道での観望となりそうです。
しし座流星群が流星雨の予想

2031年11月18日(火曜日)
流星が雨のように降る。しし座流星群のピークです。33年ごとに流星が雨のように降る現象が起こる。
前回は1998年から2002年にかけて世界各地で流星が観測されました。日本でも1分あたり100個近い流星が流れました。2031年から数年間、11月18日前後は世界のどこかで流星雨が見られるでしょう。
北陸・東北地方で皆既日食


2035年9月2日(日曜日)
日本での皆既日食。待ってました。前回2009年から26年ぶり。前回2009年7月22日(水曜日)は天気に恵まれず、週の真中で鹿児島や沖縄まで行ったのに見れなかったという方がいらっしゃたのではないでしょうか。今回は夏の残暑の中、夏休み最後の思い出となるのか。しかも日曜日の朝で、人口の多い関東圏をぶち抜きます。
日食の概要ですが、能登半島、富山、北越、長野、前橋、宇都宮、水戸などで皆既日食となります。東京は残念ながらほんの少し外れてしまいます。中心線に近い水戸では朝8時46分に欠け始め、10時9分にダイヤモンドリングです。皆既は約2分間と短く、コロナを見ることができます。日食が終わるのは11時38分です。午前中に事が済むので午後からお出かけできますね。
火星が2003年以来の超大接近

2050年8月15日(月曜日)
火星は2年2か月ごとに地球に接近します。そのうち特に接近するのが大接近です。前回は2003年で6万年ぶりと騒がれました。それに匹敵する超大接近です。2050年の夏休みお盆時期です。夏休みのど真ん中の絶好の好機ですね。
超最接近の8月16日は地球と火星との距離は5602万km。-3等星の明るさで輝くきます。さらに2082年8月31日には21世紀最大の接近となります。
ハレー彗星がやってくる

2061年7月から8月にかけて。
150年ぶりにハレー彗星の姿が見れそう。
ハレー彗星は76年ごとに地球に接近して素晴らしい姿を見せることで有名な彗星です。20世紀中には1910年と1986年に接近しています。特に1910年は彗星の尾の中に地球が入り込んでしまうほどの大接近で長い尾を引いた姿に人々は畏敬(いけい)の念を抱いたといいます。2061年の接近も1910年に匹敵する迫力です。見え方は7月中旬から下旬にかけては明け方の北東の空に。8月上旬から中旬にかけては夕方の西空に。楽しみな現象です。
津軽海峡で皆既日食

2063年8月24日(金曜日)
津軽海峡を挟んで北海道南端と青森県で見える皆既日食です。函館では朝8時6分にかけ始め、9時13分にダイヤモンドリングとなる。皆既が6分間コロナを見ることはできる。10時31分に日食が終わる。
中国・四国地方で金環日食
2095年11月27日(日曜日)
米子、岡山、広島、高松、松山、高知など中国四国地方を縦断する金環日食です。広島では朝の7時8分にかけ始め、8時22分に高度15度で金環となる。金環がおよそ5分間続き、9時53分に日食は終わる。
私は何歳になっている
これらの天体現象が起こる時、自分の何歳なのか。早見表を作ってみました。

まとめ
小惑星接近、日食、火星接近、流星雨を紹介しました。忘れないうちにカレンダーに登録しておきましょう。
おまけコーナー
いかがだったでしょうか。
今回は特にエキサイティングな天文現象を紹介しました。現在は計算技術の発達で正確に未来の現象を予測することができます。予測ができず命運を分けた日食があります。源平盛衰記に書かれている西暦1183年11 月17 日の金環日食です。源氏平家の「水島の戦い」の最中でした。太陽がなくなるという現象で源氏は体制を乱し、情報を知っていた平家が勝利しました。今回ご紹介した天文現象は(マスコミというメディアが存在しているかは別として)マスコミでかなり話題になるかと思います。実は地味な天文現象は毎晩起こっています。例えば小惑星が星を隠す現象(隠蔽)などです。
ここにあげた天文現象はその偉大さや神聖さに対して、畏れを伴う尊敬の気持ちを抱くことでしょう。いわゆる「畏敬(いけい)の念」と言われるものです。皆さんは畏敬の念を体験したことがあるでしょうか。具体的には息をのむような山頂からの景色、変化するオーロラと星空、大きな音と光の大花火などでしょうか。生きてる間に是非見たいものですが、私の場合は南半球で砂漠でひとり見た満天の星空でした。空に吸い込まれて飛んでいるようで上下左右が分からず、恐怖とともに宇宙の荘厳さを感じた星空でした。空を見上げることでこういった体験をすることができる。そういったきっかけにしていただけるといいかなと思っています。
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